抗真菌薬は真菌に対する感染症の治療を行うことができる治療薬であり、多数のものが知られるようになっています。
抗菌薬はその作用メカニズムの違いによってイミダゾール系、トリアゾール系、ポリエン系抗生物質、フロロピリミジン系、アリルアミン系、キャンディン系といったものが知られており、それぞれにおいて有効な真菌のスペクトルにも違いがあります。
イミダゾール系、トリアゾール系はエルゴステロールの生合成を阻害し、ポリエン系抗生物質はエルゴステロールに結合して細胞膜を破壊するものです。
フロロピリミジン系は核酸合成を阻害し、アリルアミン系はスクワレンの蓄積を促します。
キャンディン系は細胞壁のβ-Dグルカンの合成を阻害することで抗真菌薬として機能します。
こういったメカニズムの違いがあり、いずれも殺菌的に作用する力があることから単純に効果の高さを比較することは難しいのが事実です。対象にする疾患によっても抗真菌作用には強弱の差が生じます。そのため、症状や原因に合わせて適切なものを選ぶことが一番効果が高い薬を使用できるようになるためには必須です。
一つだけ効果が無効となるリスクまであることから覚えておかなければならないのが、剤形の違いによる効果の違いです。
真菌感染症には表在性のものと深在性のものがあります。表在性のものには内服薬も外用薬も有効ですが、深在性のものに外用薬は効果がありません。
また、症状が明らかに目に見えていて表在性のように感じられても、血中に存在する真菌もいます。そういった場合には内服薬でなければ根治に至ることはできません。
そういった考え方をするならば内服薬は外用薬よりも効果が高いといえますが、副作用も起こりやすいので注意が必要です。